君は僕の心の星

まんぷくひよっこロスから私を救ってくれるかと思ったのに、今は完全に惰性で観ている。逮捕歴のやばい無職のオジサンがラーメンを作る話。

 

ああ、三男の恋は尊かった。

 

「俺のは、片思いですよ。片思いです。まぁ、そんじょそごらの片思いとはわげが違う。自分の人生、ほとんどずっと時子に片思いです。それでいいんです、分がってんです。そして、片思いなのと同じぐらい、親友でもあるんです。だがら心の底がら、一点の曇りもなぐ、俺はあいづの夢を応援してんです。あぁそんでね、分がってもらえっかどうかは分かんねえけど、俺に惚れられでるってことは、あいづにとって、力になんです。必要なんです。だからね、俺は時子が夢をかなえるまで、片思いしてなきゃいげないんです。そう決めてんです。そういう、恋なんです。自分のこどを考えんのは、そのあどでいいんです。」*1

 三男の働いている安部米店を訪ねたときに偶然さおり(米子)と三男の会話を聞いてしまった時子は、これまで三男がどんな思いで自分を好きでいてくれたのかを知りました。時子はそんな三男の思いに応えるため、そして、三男を『解放』するため、ツイッギーそっくりコンテストで優勝し、今度こそ本当に、スターになるという決意をします。

後日あらためて安部米店を訪ねてきた時子は「私スターになっから。絶対優勝するつもりだから。」と宣言。そして「三男、今までありがとう。本当にありがとう。お互い頑張ろうね。これからも。」と。

中島みゆきは恋文に込められた「ありがとう」を「これきり」と受け取り*2、ガッキーも改札口で「ありがとう」と言うことを躊躇いました。「さよなら」よりも悲しい言葉に思うの、と。*3ヒカルだって震える声で歌っています、ありがとう、と君に言われると なんだか切ない*4。なんだか、なんてもんじゃなかった。涙をこぼさまいと堪える三男が本当に切なかった。

『解放』なんか、してほしくなかったよね。三男はそんなこと望んでなかった。誰に分かってもらえなくても、自分の気の済むまで、自分の思う形で、ずっと時子を好きでいたかった。

 ハチクロ山田さんの「神さま わたしは 救われたくなんかなかった ずっと真山を想って 泣いてたかった 10年でも20年でも ずっと好きでいつづけて どんなに好きか思い知らせたかった」ってセリフを思い出す。そしてこう続きます、「そんなコトに何もイミがないのも解ってた」。

 

農家の三男として生まれた以上、自分の居場所はこの村にはないと言って奥茨城を離れた三男。失踪した父親を捜しながら家族に仕送りをするみね子や女優になる夢を追う時子のように、東京での明確な目標があったわけではありません。だからこそ「心の底がら、一点の曇りもなぐ」時子の夢を応援することが、三男の東京生活の中でとてもとても大事な柱になってたんだろうね。時子が腹をくくった以上、三男もいつもみたいに冗談めかして「嫁にすっぞ」とは決して言えなかった。

コンテスト当日、ステージ上でパフォーマンスする時子を見つめる三男の横顔。お嫁さんにしたかった、でも夢を叶えてほしかった。どっちが一番の願いかなんてもうわかんないけど、でも、三男の恋はこの日終わりました。

 

 

そしてやっと自分のことを考え始めた三男は最終週*5で以前から猛アプローチを受けていたさおり(米子)の気持ちを受け入れ恋人になるんだけど、その時の言葉がまた良かった。

「さおりさん、時々自分のことを自信ないみたいに言いますけど、それおかしいですよ?さおりさん、かわいいですよ。かわいいです。」

サバサバしてて強引で、でも自分の容姿には自信がなくて、恋のライバルは女優志望のスラっとした美人で、でも「頑張るしかないから」って健気に三男を好きでい続けたさおり。そのさおりに対して「かわいいですよ、かわいいです。」って、一番うれしい言葉を言ってあげられる三男。おい、なあ、最高やんけ。

 

末永くお幸せに!

 

 

 

*1:第21週「ミニスカートの風が吹く(126話)」

*2:中島みゆき 恋文 歌詞 - 歌ネット

*3:新垣結衣 heavenly days 歌詞 - 歌ネット

*4:Flavor Of Life - 宇多田ヒカル - 歌詞 : 歌ネット

*5:「グッバイ、ナミダクン(151話)」